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名物水車が復活、紀伊半島豪雨から10年 十津川村・湖泉閣吉乃屋


完成した水車を囲む関係者ら=十津川村


 十津川村平谷の旅館「湖泉閣吉乃屋」の露天風呂に、平成23年9月の紀伊半島豪雨で失われた名物の水車が10年ぶりに復活した。豪雨により熊野川のダム湖を見下ろす露天風呂は水没。水車は回らなくなり、朽ちてしまっていた。新たに完成した水車に源泉かけ流しの湯が落ちてゆっくり回りだすと、復活プロジェクトに携わった有志らに笑顔がはじけた。
 昭和28年の豪雨で熊野川に流されて行方不明となった祖父が十津川村に住んでいた縁から、村の復興支援を続ける大阪府八尾市の美容師、上垣隆幸さんが昨年6月、旅館の4代目館主、植村賢一さんに水車の復活を提案。上垣さんが知人の大工、長井風汰さん=同市=に話をもちかけ、実現に向かって動き出した。
 上垣さんの知り合いの洗浄機メーカー「ショウワ」の藤村俊秀社長=同府柏原市=も趣旨に賛同し、寄付を申し出た。
 長井さんは、水車について書かれた本を参考に図面を起こし、模型を作るなど試行錯誤。十津川産のスギを使って部品を作り上げていった。水車の回転軸は、大工仲間の高橋諒さんに製作を依頼。高橋さんは同府羽曳野市の古市だんじり祭を担う青年団の元団長で、「だんじりのコマ(車輪)に使われているベアリングが適している」と着想。取り外しができて手入れがしやすく、滑らかな回転軸に仕上げた。
 9月6日のお披露目式で、竹筒から流れてくる源泉が水車の水受けに注がれると、ゆっくりと回転をはじめ、「パシャン、パシャン」と風流な音がよみがえった。
 植村さんは「水車はアイデアマンだった3代目館主の亡き父が作ったもの。回っているのが普通だったが、なくなってみると寂しかった。感無量です」と見入っていた。
 吉乃屋は上垣さんの定宿。「水車が回った瞬間、胸が熱くなった。先代の音と少し違うが、やさしくていい音。新しい音がなじんで、水車のように村がいい方向に回ってほしい」と上垣さん。藤村さんは「ローカルの復興支援を下支えできたことがうれしい。災害やコロナに見舞われたところに、こうした支援が広がれば」と話した。

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