曽爾村の素材でトマトソース 近大生と共同開発
傷がつくなどして出荷できなかった曽爾村産の規格外トマトを使って、村と近畿大農学部(奈良市)の学生が2種類のトマトソースを開発した。ユズの酸味とやさしい甘さが特徴の「柚子はちみつ」と、シイタケのうまみと大和当帰のさわやかな香りがマッチする「きのこ当帰」。村の食材を使ってトマトの味を引き立てている。
近大と同村は令和元年に地域活性化に向けた連携協定を結んでおり今回、同大からは農学部の農業経営経済学研究室に所属する4年生4人が参画した。
村では大きな寒暖差や豊富な湧水を利用し、7軒の農家がトマトを生産している。そこで、虫が食っていたり形が悪かったりして廃棄されてきた規格外トマトを農家が随時提供することにした。村ならではのトマトソースを作ろうと学生らは昨年夏からトマトに合わせる食材探しを開始。試行錯誤の末、村産のユズ、キノコ、ハチミツ、大和当帰葉との相性がよいことが分かったという。
「トマト味を引き立てる食材はすべて、村の食材だった」と近大4年、松尾翔太さんは感慨深げ。村のトマト農家、寺前健史さんは「丹精込めて作ったトマトを活用してもらえるのはありがたい」と話した。
トマトソースは1瓶(220㌘)750円。交流拠点「そにのわの台所katte」やオンラインストアの「そにのわマルシェ」で年間を通じて販売している。