シャープ希望退職者への求人3割にとどまる 労働局、再就職支援強化も
シャープの希望退職者を対象とした正社員求人数が不足している。県内では全国最多の734人(9月30日付)に上る希望退職者を抱えるが、奈良労働局に寄せられたシャープ希望退職者の求人件数は約250件と全体の3割程度にとどまる。同労働局の担当者は「興味を持っている企業は多いが、採用枠が少ない」と指摘。「県内企業の求人開拓に力を入れながら大阪労働局とも連携し、切れ目のない再就職支援を行いたい」としている。
労働局によると、県内に5つあるハローワークに寄せられたシャープ希望退職者からの求職申し込みは今月8日時点で756人。担当者は「県外のシャープの工場で働いていた人が地元の奈良に戻って求職活動をしており、9月末よりも人が増えている」と説明し、今月末には800人を超える求職申し込み者が出る見込みという。
756人のうち最も多い年代は50~54歳で約40%、続いて55~59歳の約32%、45~49歳の約24%。希望職種は技術、専門職が約38%と最も多く、事務職は約20%、製造職は約13%だった。企業の募集職種は製造業が半分を占め、それ以外は事務職やサービス業、営業など。「自分の経験を生かせる職種が人気」(労働局)というが、2人の事務職採用枠に約90人の応募が殺到したケースもあるという。
労働局と県はシャープ希望退職者らへの正社員求人数が不足している現状を受け今月13日、県商工会議所連合会など4つの経済団体に正社員の求人を確保するよう要請した。今後、小規模なミニ面接会なども開催していく予定だ。
担当者は「優秀なシャープ退職者を採用したいという企業は多く、県外企業からも問い合わせを受ける。ただ、まだまだ受け皿が足りていないので、経済団体とも情報交換し求人数の拡大につなげたい」と話している。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)