ジビエ普及で害獣活用 五條で加工施設本格稼働
農林業に被害を及ぼすイノシシやシカをジビエ(野生鳥獣の肉)として活用しようと、五條市が県内自治体で初めて建設した加工処理施設「ジビエール五條」(同市阪合部新田町)が、今月から本格稼働している。栄養面や味わいなどでジビエ料理が注目される中、今後の展開が注目される。
「ジビエール」は鉄骨造り平屋建てで、広さ約78平方メートル。検査、洗浄して枝肉化する処理室や、肉を熟成するための冷蔵庫などがある。当面は1日1頭を処理する計画で、一般向けには大塔ふるさとセンターなどを通じて販売。食品としての安全・安心確保のため、独自の厳しい安全基準も定めている。
同市は面積の74%が山林で、イノシシやシカなどによる農林業被害が課題となっており、昨年度は市と猟友会でイノシシ919頭、シカ390頭を駆除。これまで、駆除した有害鳥獣は焼却処分していたが、ジビエとして加工、販売することで地域の新しい資源として活用しようと計画。約3600万円の事業費をかけて建設された。
完成を祝う式典で、太田好紀市長は「有害鳥獣の活用が地域の活性化と情報発信につながれば」と話した。
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