骨髄バンクに理解を、県内でドナー登録会 血液難病患者の移植治療へ
10月は、白血病など血液難病の患者に有効な治療法の一つ「骨髄移植」について理解や協力の推進を図る「骨髄バンク推進月間」。県内でもドナー登録会などが開かれ、関係機関が協力を呼びかけている。
骨髄移植は白血病などの血液難病の有効な治療法とされるが、患者とドナーのHLA(白血球の型)が一致する確率は血縁者(兄弟姉妹)間で4分の1、非血縁者間では数百から数万分の1と極めて低い。需要に対応するには、多くのドナー登録が必要とされている。
ドナー登録の条件は、18~54歳の健康な人で、体重が男性45キロ以上、女性40キロ以上―など。県赤十字血液センター(大和郡山市)では毎週火、木、金、日曜日の午前9時~午後4時に登録を受け付けている。
近鉄奈良駅ビル献血ルームでも、平日午前10時~午後5時に登録が可能。郡山、中和、吉野保健所は予約制。31日には県立医大(橿原市)でも、登録会が開かれる。
提供登録者減少傾向、若年層少ない
白血病などの疾患により、正常な造血が行われない患者の造血幹細胞を健康な提供者(ドナー)の造血幹細胞と入れ替え、造血機能を回復させる骨髄移植。日本骨髄バンクによると、国内では平成4年から「骨髄バンク」事業が始まり、今年8月末までの移植実施数は全国で1万8592人、県内では191人に上る。
移植を希望する登録者は全国で約4万5860人(平成27年8月末時点)、県内では474人(同)。これに対し、提供登録者は全国で約45万3600人(同)、県内で2535人(同)いるが、非血縁者間移植ではHLA型の適合率が極めて低いため、さらに多くの登録者が必要という。
だが、提供登録者を年齢別にみると、最も多い41歳(2万643人)をピークに、若年層は顕著に少ない。年間登録受付数も23年度は4万1763人だったが、26年度には2万6380人となっており、年々減少傾向にある。
また、移植にあたっては、提供者側も全身麻酔での骨髄採取などで計4日間の入院が必要となるケースが8割とされ、負担は軽くない。だが、提供のための休暇「ドナー休暇」を導入している企業・団体は全国でわずか計288社にとどまっているのが現状だ。
県の担当者は、「一人でも多くの人が登録することが、患者の希望につながる」として、協力を呼びかけている。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)