旭化成建材問題 県内22件の具体的情報求める、県「独自調査困難」
横浜市のマンションが傾いている問題で、杭打ち施工を請け負った旭化成建材が発表した過去10年間の杭打ち工事3040件のうち、県内での工事は22件だった。杭打ちデータを改竄した担当者が関与した例はなかったが、具体的な住所は明らかになっておらず、県建築課は「今後具体的な情報を求めていきたい」としている。
22件の内訳は、集合住宅8件▽事務所1件▽商業施設2件▽工場・倉庫2件▽医療・福祉施設5件▽学校1件▽公共施設2件▽その他1件。所在地や建物の名称などは公表されておらず、県は「詳しい情報開示などは国が調整していくのでは。県として現段階では独自に調査のしようがないので、今後の推移を見守りたい」と話す。
県施設の整備を行う県営繕課によると、過去10年間に県が建設、管理している建築物は53件。担当者は「その中に今回公表された22件がどのぐらいあるのか、過去の工事にかかわる台帳を見て調べていきたい」とし、洗い出し作業を急いでいる。
奈良市でも、市内の学校や公共施設について、過去5年間にさかのぼって同社の工事の有無を調査中。ただ、民間施設まで含めると、どの程度の工事が市内で行われているかは不明といい、市建築指導課は「公表された以上の情報がなく、今の段階では動きようがない。国や県を通じて情報を求めていきたい」としている。
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