ミシュランガイド奈良掲載の名店 こだわりの料理人たち
レストランや宿泊施設を星の数で格付けするグルメガイド「ミシュランガイド奈良2016」が決まり、会員制ウェブサイトで公開されている。日本料理店「和 やまむら」(奈良市)が5年連続で三つ星に輝いたほか、手頃な価格で上質な料理が堪能できる店「ビブグルマン」には初めて15店が選ばれた。
県内で「星」を獲得したのは、昨年と同じ16店。三つ星の「和 やまむら」のほかは二つ星が3店、一つ星が12店だった。
5年連続三つ星となった「和 やまむら」は、市内の老舗旅館で総料理長を約21年間務めた山村信晴さん(62)が、50歳で独立開業。「お客さんから『来てよかった』と喜んでもらうこと一心でやってきた」と話し、「一番難しいのは初心でいること。毎日が緊張の連続だが、体力が続く限りやっていきたい」と柔らかく笑った。
「ビブグルマン」は「ミシュランガイド関西2014」から設けられたもので、県内の店舗が選出されたのは今回が初めて。「3500円以下で楽しめるコストパフォーマンスが高い店」と位置づけられており、ジャンルはイタリア料理やフランス料理のほか、関西では今回初めて和食も加わった。県内で選ばれた15店も、うち11店が日本料理やそばなどの和食だった。
多くの飲食店が立ち並ぶ近鉄新大宮駅近くのおでん店「分田上(わけたがみ)」もその一つ。老舗日本料理店「川波」の姉妹店として平成10年にオープン。昨年7月からは、店主の宮本輝彦さん(32)が1人で切り盛りしている。
〝手作り〟にこだわり、生駒市内の約4千坪の畑で年間約60種の野菜を自ら育て、当日朝に収穫した新鮮な野菜を使う。料理は「野菜が主役」のため、約30種用意しているというおでんのだしは控えめな味わいだ。
店内はスギ材のカウンター席がメーンで、テーブルと合わせて最大20席ほど。宮本さんは「これまでと変わらず日々やってきたことを一歩一歩確かなものにしていきたい」と話した。
県内で選ばれた中で唯一のフランス料理店「えとね」(奈良市)が掲げるのは、〝フレンチ居酒屋〟の看板。19年にオープンした同店のイチ押しはエスカルゴ料理で、クラシックな料理を基本に気軽に味わえるメニューが並ぶ。オーナーシェフの東郷匡宏さん(37)は「フランス料理が少ないなか、選ばれて素直にうれしい」と話した。
奈良版は今回から書籍を発行せず、ミシュランガイドの有料会員制公式ウェブサイト「クラブミシュラン」(http://clubmichelin.jp)のみで公開。サイトでは、国内で発刊された「2010」版以降のガイドブック全7冊の掲載店をエリアや料理別に検索可能で、空席情報や旬のメニュー紹介、予約代行のサービスもある。会費は月額324円から、年間3240円から。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)