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子供の前で夫婦げんかはダメ 心理的虐待増加、面前DVが悪影響


 子供の目の前で配偶者や親族らに暴力をふるう「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」など、子供への心理的虐待が県内で増加している。警察からの通告が増加したのに加え、きょうだいが虐待を受けた場合も含まれるようになったことが要因。全国的にも同様の傾向といい、子供の心のケアなどが課題となっている。

 「夫婦間のDVが子供の虐待にあたるという意識が浸透してきた」。県こども家庭課の担当者はこう分析する。平成25年8月、国が虐待の被害児童のきょうだいも心理的虐待を受けたと捉え、対応を自治体に通知したことや、虐待に対する社会的意識の高まりが背景にあるとされる。

 26年度に県のこども家庭相談センターが対応した心理的虐待の対応件数は811件で、前年度より251件も増加。面前DVによる通告が増えたことが大きく、「主な虐待者」が実父だった割合は同52・1%増加した。父親が母親、あるいはきょうだいに暴力を振るう場面を子供が見ている、というケースが多いとみられるという。また、警察が通告した割合も著しく増加した。

 全国的にも同様の傾向で、面前DVの増加などが影響し、26年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待の件数(速報値)は前年度比20・5%増の8万8931件。過去最多を更新した。

 「面前DVとして警察から通報があるのは、子供の目の前で包丁を持ち出してどちらかがけがをしているなど、かなりひどい状況も多い」。県中央こども家庭相談センターの担当者はこう指摘する。「暴力が常態化し、日常の光景として慣れてしまっている子供もいる。止められない無力感やあきらめなどを感じ、家庭に希望を持てない子供が増えている」としている。

近所の〝おせっかいさん〟がいない。背景に「家庭の密室化」

 面前DVの増加について、虐待問題に詳しい関西学院大学人間福祉学部の才村純教授は「DVも虐待も根っこは同じ。家庭の密室化が大きな背景にある」と指摘する。かつては夫婦や親子間のトラブルには〝おせっかい〟な近隣住民らが介入して解決していたが「今は密室化していて、極端な方向に向かってしまいがちだ」と話す。

 面前DVが子供へ与える影響については、「子供にとっては、大好きなお父さんとお母さんが目の前で口論するだけでもつらい。殴られているのを見ることがどんなに深刻な影響を与えるかは計り知れない」と警鐘を鳴らす。
親の暴力を日常的に目撃することで、子供も暴力をふるう「DVの連鎖」につながる可能性が高いうえ、「暴力を受けている母親を守れない自分は『だめな存在』だ」という自責の念を感じ、自己嫌悪や自己肯定感の欠如につながる影響も報告されているという。

 才村教授は「根が深い問題だが、周囲はおかしいと思えば早めに専門機関に通告することが大切だ」としている。

▽キーワード 心理的虐待=児童に対して言葉で脅かす▽怒鳴る▽無視する▽他のきょうだいと差別する▽夫婦間のDVを見聞きさせる―などが該当する。言葉でなじったり、食べ物を与えなかったりする行為も含まれる。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)

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