子供の安全は地域で守る 「楓ちゃん事件」から11年 奈良市で集い
奈良市で平成16年、市立富雄北小学校1年の有山楓ちゃん=当時(7)=が誘拐、殺害された事件から11年を迎えるのを前に、奈良市役所で15日、「子ども安全の日の集い」が開かれた。
集いは市と市教育委員会が主催し、学校の教員や保護者ら約290人が参加した。
冒頭、参加者らが黙禱を捧げた後、仲川げん市長が「決して同じことが起きないよう、さらにネットワークや子供たちの防犯意識を高めて取り組みを続けたい」とあいさつした。
摂南大法学部の中沼丈晃准教授がコーディネーターを務め、「私たちの安全の取組」をテーマに、市内の小・中・高校生が話し合った。
下校時間や遊び場所など児童・生徒の日常生活を紹介し、地域で見守り活動をする上での課題や、不審者目線での危険箇所などを検討。市立一条高校2年の矢部達大さん(17)は、部活動中や登下校時など高校生が見守りに参加することを提案、「守られる側から守る側になり、地域などと連携して安全に携わっていくことが大切」と呼びかけた。
中沼准教授は「防犯活動の中で、本当に人の目があるかを見直したり、子供たちの日常を知って活動に生かしたりしてほしい」と話した。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)