もしも、大規模災害、大事故起きたら…救命技術競うメディカルラリー初開催
災害や事故現場などで的確な状況判断と連携を行い、制限時間内にいかに傷病者を救命するかを医師や看護師、救急隊員らがチームで競う「奈良メディカルラリー」が21日、県内で初めて県立医大(橿原市)で開かれた。
大規模災害が少ない県内で災害医療・救急医療の向上を図ろうと、県立医大救急医学講座の医師らでつくる実行委員会が主催した。
県立医大や市立奈良病院のほか大阪府の淀川キリスト教病院など県内外から計16チーム92人が参加した。
電車とトラックが衝突し多くの負傷者が出た事故現場、脳卒中や心肺停止状態の患者が自宅などで倒れている―など8つの救急現場を想定し、それぞれ10分以内に情報収集や処置、搬送などが行われた。
電車の衝突現場では、救急医療チームが、先着していた消防士らと連携し、指揮本部を設置。負傷者が「助けて!」と声をあげ緊迫した雰囲気の中、現場の安全や負傷者数、DMAT(災害派遣医療チーム)の到着など状況確認をしたうえで、治療の優先順位を決めるトリアージを実施して的確な搬送手順を立てる-ことを確認した。
県立医大救急医学講座の浅井英樹助教(44)は「県内では搬送前に医師が現場に出向いて処置する『病院前治療』の導入が遅れている。こうした機会を通じて病院前治療の認識を広めていきたい」と話した。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)