「妄想用婚姻届」で人生をデザインしてみたら 来年1、2月にセミナー
若者に将来の自分の人生設計について幅広い視野で考えてもらおうと県は来年1月23日と2月14日、「ライフデザインミーティングinなら」と題したセミナーを開催する。担当者は「結婚や働き方について考え、自分なりの人生観を持ってもらいたい」と話している。
セミナーは「リクルートマーケティングパートナーズ」(東京)に委託し実施。結婚や出産、子育てを身近に感じるきっかけを作ることが狙いだ。当日は、同社が作成した〝妄想用婚姻届〟を使い、将来の自分の働き方や結婚生活についてイメージをふくらませるほか、実際に2~3歳の子供とふれあう時間も設けられる。
〝妄想用婚姻届〟の記入欄には、自分と相手の職業と年収▽相手についての性格、外見、趣味▽結婚式▽家事や育児の分担▽子供は何人ほしいか―など、具体的な項目が。同社の担当者は「楽しみながら、自分の人生について想像してもらいたい。自分がどう生きたいのかを見つめることにつながれば」と話す。
同社では少子化対策の一環として、約2年前から全国の大学や自治体でこうしたセミナーを開催。参加した若者からは「結婚が身近に感じられるようになった」「一生、独身がよいと考えていたが、共働きでの結婚や子育てならばよいかもしれないと思うようになった」といった感想が寄せられたという。
担当者は「結婚や出産はもちろん個人の自由。ただ、『さまざまな選択肢があるんだよ』ということを若者に提示したい」と強調。「大学生は就職活動のことのみを考えがちだが、自分の人生を長期的スパンで幅広く考えることの大切さを伝えたい」とする。
核家族化の進行で、子供とふれあったことがない若者も多いことから、セミナーには2~3歳の子供とその親らが参加して、一緒に遊ぶプログラムも。対象は、18歳以上30歳未満の県内在住、在勤、在学の独身の人。来年1月23日は奈良市の奈良佐保短期大学で午前9時半~午後0時20、2月14日は同市の県文化会館で午後1時~3時50分に開催する。申し込みは各開催日の2日前の午後5時まで。問い合わせは、県子育て支援課(☎0742・27・8603)。
高い未婚率 結婚、子育て「いいな」増やしたい
若者が結婚や出産、育児について意識し、将来の人生設計をイメージするセミナー。県が開催する背景には、県内の高い未婚率が少子化に結びついている現状がある。
県の平成26年の合計特殊出生率は1・27で、全国では北海道と並びワースト3位。県の20代後半の未婚率は全国を上回るペースで上昇しており、22年は男性が72・7%で全国3位、女性は64・6%で全国トップだった。
県では「いずれ結婚しようと考える18~34歳の未婚者」の割合を、25年の72・5%から31年度には90%以上とする数値目標を掲げており、県子育て支援課は「結婚や子育てに対して『いいな』と思う若者が増えれば」としている。
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