古き良き花街「元林院」復興へ 全国の芸舞子が2月に集結しイベント
昭和初期ににぎわった奈良市の花街・元林院(がんりいん)の復興を目指し、全国8花街の芸舞子(妓)が集う初のイベント「ならまち花あかり」が2月26日~28日に開催される。かつて元林院の芸舞子が披露した「大和をどり」にちなみ舞踊公演するほか、飲食店で芸舞子と過ごす「大宴席」や「花街日本酒バル」があり、奈良の夜を小粋に楽しめる機会となりそうだ。
猿沢池近くにある元林院は、昭和初期には200人ほどの芸舞子がいて、京都・祇園に劣らない華やぎをみせたが、次第に衰退。現在活動している芸舞子は5人といい、奈良町芸者の菊乃さんらが、復興プロジェクトに取り組んでいる。
今回のイベントはこのプロジェクトの一環で、京都・祇園甲部や上七軒、金沢ひがし、東京浅草など、全国の花街の芸舞子と連携。お座敷文化の継承や、花街の活性化などをねらいに開催する。
初日は午後1時から東大寺の金鐘ホールで、「全国花街伝統芸能シンポジウム」を開催。西山厚・帝塚山大学教授の講演や菊乃さんらによる舞踊、トークセッションがある。
かつて催されたが途絶えたという「大和をどり」にちなんだ舞踊公演は27日午後2時からなら100年会館であり、元林院や京都・祇園甲部や上七軒、金沢ひがしなどの芸舞子が舞踊を披露する。入場料7千円。この日夕方からは、奈良市内の料亭で芸舞子と楽しむ「元林院大宴席」も予定されている。
「花街日本酒バル」は28日、元林院町周辺の参加店舗で実施。各店舗に芸舞子がいて、日本酒を飲みながら舞などが楽しめるという。
菊乃さんは「奈良に宿泊する人に多くきてもらいたい。奈良の人に『元林院』という花街があることを知っていただきたい」と話している。問い合わせは奈良市観光協会(☎0742・27・8866)。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)