春日大社で奈良時代の歴史を学ぶ シンポジウムに120人
奈良時代の文化や歴史を学ぶシンポジウム「光明皇后を慕う」が6日、奈良市の春日大社境内「感謝・共生の館」で開かれ、約120人が参加した。花山院弘匡宮司と帝塚山大の西山厚教授が、春日大社の信仰や式年造替について語った。
同シンポは、歴史愛好家でつくるNPO法人「奈良好き人のつどい」が2年前から継続して開催し、今回で8回目。
花山院宮司は「春日大社の式年造替」をテーマに講演。平安時代の貴族の日記『中右記』にある造替に関する記述や、現在進む造替の様子を映像で紹介し、「遷座に関わるのはありがたいと思う半面、大変な畏怖の念がある」と心境を語った。
西山教授は「春日大社の信仰世界」と題し、明治以前までの神仏混合の信仰の形を紹介。「人間が力の限りを尽くしてもできないことがあると知ったとき、神も仏も区別なく、すべての神仏に祈りをささげる」と話した。
その後、歴史読本編集長の石井久恵さんを交えた討論会では、聖武天皇の后、光明皇后の人物評が話題に。西山教授は、優れた政治家としての側面や信心深さ、4人の兄を天然痘で亡くし、国の将来を一手に引き受けることになった境遇を紹介し、「人物について語るときは1つの側面だけでなく全貌をとらえることが重要」と説明した。
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