スマホで高齢者を支えます、県がアプリ開発
山間部に暮らす高齢者の生活を支援しようと、奈良県がスマートフォン(スマホ)を活用した生活支援アプリの開発に乗り出した。高齢者にアプリ搭載済みの専用スマホを持ち歩いてもらい、歩数による健康管理や地元商店と連携した買い物支援、災害情報提供などを検討している。すでに一部で試用を始めており、自治体独自でこうしたアプリを開発することは珍しいといい、効果が注目される。
対象は、高齢化と過疎化が深刻な県南部や東部の高齢者。アプリを搭載した専用スマホを2台で1組とし、1台は本人、もう1台は保健師や家族ら「見守る側」が持つ。生活支援と見守り、災害時の支援を一体で行い、1日の歩数や移動経路、位置情報を確認できる機能のほか、防災情報や避難勧告など、自治体からの通知を音声で流す。
自治体がアプリを開発するメリットについて、奈良県健康づくり推進課の谷垣孝彦課長は「地域の実情に合わせたきめ細かなサービスを提供できる」。例えば、買い物支援では全国展開のスーパーや通販大手ではなく、高齢者が普段利用している地元のスーパーや商店と連携し、アプリを使って注文して配達してもらう構想で「なじみのある店だと抵抗感なく使ってもらえるのではないか」としている。
県は今年度当初予算と6月補正予算にアプリ開発費用など約1600万円を計上。試作機20台を製作し、8月から高齢者と担当の保健師、家族らによる試用を始めている。
高齢者が使いやすいよう機能もなるべくシンプルにする予定で、今後試作機に関する意見を反映させ、今年度中にアプリを完成。平成28年度からは順次、市町村へ導入を呼び掛ける。
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