市町村指定文化財の1割がピンチ 倒壊・絶滅の恐れ 奈良まほろばソムリエの会調査
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は7日、県内の市町村指定文化財を調査した結果、約1割が破損による倒壊や絶滅が危惧される状態であることがわかったと発表した。
同会の「保存・継承グループ」が昨年から今年5月にかけ、市町村指定の「史跡・名勝」「天然記念物」「有形民俗文化財」の全116件のうち、非公開や個人所有のため確認が困難なものを除く99件について現地調査を実施。その結果、うち約1割で問題が見つかったという。
奈良市上深川にある「上深川のサクラの巨樹」は、樹齢300年のヤマザクラの古木。平成18年3月に同市の天然記念物に指定されたが、今年は開花せず、同会によると「枯死寸前の状態になっている」という。
ほかには、修復のため新建材やステンレスくぎを使っているケースや、自治体が文化財の場所を把握していないケースもあったという。同会は問題を確認した文化財の具体名や数については、「調査継続に支障が生じる可能性がある」として非公表としている。
今後は調査結果をホームページ(http://www.stomo.jp/)で公開するといい、同会の保存・継承グループの鈴木英一代表は「国の文化財を守るには、地域で文化財を守る基本を作ることが大事。市町村に保存や修復の働きかけを検討していきたい」と話した。
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