飛鳥の礎築いた女帝「斉明天皇」の生涯 日本画で紹介 明日香村文化協会が冊子刊行

冊子の原画を手にする東紀子さん(前列左から2人目)ら明日香村文化協会のメンバー=明日香村内
飛鳥時代の女帝、斉明(さいめい)天皇の生涯を子供たちにも親しみやすいよう、色鮮やかな日本画で紹介した冊子「小市岡(おちのおか)に眠る女帝|飛鳥をこよなく愛した斉明(皇極(こうぎょく))天皇の物語」を奈良県の明日香村文化協会が刊行した。1400年前、国内外の使者を招く迎賓館や宮殿など壮大な国造りに奔走した姿が描かれ、同会は「飛鳥の原型を造ったともいえる女帝の思いを知ってもらえれば」としている。

斉明天皇の生涯を描いた冊子「小市岡に眠る女帝」
同会は村内外の歴史愛好家らが会員で、講演会などを開催。数年前から郷土の歴史を分かりやすく伝えようと絵を添えた冊子を刊行し、蘇我入鹿(そがのいるか)暗殺の「乙巳(いっし)の変」など今回で4作目となった。
斉明天皇は、夫の舒明(じょめい)天皇の死後に49歳で皇極(こうぎょく)天皇として即位。乙巳の変(645年)により退位したが、10年後に再び斉明天皇として重祚(ちょうそ)し、中国に引けを取らない国造りに尽力した。天智、天武両天皇の母としても知られ、661年に68歳で亡くなり、同村の牽牛子塚(けんごしづか)古墳に葬られたとされる。
冊子では斉明天皇の波乱に満ちた人生や歴史背景について、研究者のアドバイスを受けながら忠実に描写。絵は、同村在住で元高校美術教師の東紀子さんが担当し、自身が専門とする日本画で本格的に描いた。
東さんは「衣装の色やデザインが時代に合うか確かめながら描くのに苦労した。子供たちにも手に取ってもらえるよう、人物の表情は柔らかく仕上げました」と話し、「62歳で再び天皇になり、朝鮮半島に百済救援に赴くなどとてもエネルギッシュな女性」と斉明天皇の印象を述べた。
冊子はB5判38㌻で、村内の保育園や幼稚園児、小中学生に配布。一般向けには、これまでに刊行した「乙巳の変」「善信尼(ぜんしんに)物語」とともに1冊700円で近鉄・飛鳥駅前の観光案内所「飛鳥びとの館」などで販売。問い合わせは同村教育委員会文化財課内の同協会事務局(0744・54・5600)。


































