奈良市新斎苑、利用増、市民の持ち出し減少 旧施設比
奈良市は令和4年4月の供用開始から3年を迎えた火葬場「奈良市斎苑 旅立ちの杜」(横井町)の利用状況を発表した。3年度の運営終了時の旧施設「東山霊苑火葬場」と比べ、13歳以上の火葬の利用件数は約2倍となり、市民が市外の施設を利用する件数は大幅に減ったとしている。一方で、用地取得額が不当に高いとする住民訴訟が起こされるなど、新施設の費用の妥当性に否定的な見方もある。

「奈良市斎苑 旅立ちの杜」=奈良市
13歳以上の火葬は旧施設の3年度が2298件だったが、新施設の6年度実績は4337件と増加。これに伴い、市民が市外の施設を利用した件数は1746件から168件に減少した。旧施設では1日最大で8件までしか対応できなかったが、新施設は22件まで可能になったためで、市内での火葬を希望する市民はほぼ希望をかなえられる環境になったという。
市営火葬場を当該市外の人が利用する場合、料金は10倍近くになることがある。奈良市の旧施設は能力不足で、大阪府四條畷市など他の自治体施設を利用する市民が多かった。
3年度に奈良市民が市外の火葬場を利用したことでかかった負担は、市の火葬場を使用した場合よりも計約1億4千万円余分にかかった計算になるという。6年度の超過負担は約1352万円にとどまった。
旅立ちの杜を巡っては、用地を不当に高く購入したとして住民団体が訴訟を起こし、仲川げん市長と元地権者に約1億1600万円を請求するよう市に命じた大阪高裁判決が令和3年に確定。市は仲川氏らに損害賠償請求訴訟を起こしたが、仲川氏らが市に3千万円ずつ支払い、遅延損害金を加えた残る約8600万円の市の債権を放棄する和解案が5年に成立した。
住民団体は和解成立が住民訴訟制度を逸脱しているなどとして債権回収を市に求め訴えていたが、奈良地裁は今年5月に請求を棄却した。


































