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紀伊半島豪雨14年「1日たりとも忘れられない」 五條で慰霊祭、遺族ら冥福願う


大塔体育館で営まれた慰霊祭で、手を合わせる参列者=五條市

 

平成23年の紀伊半島豪雨から14年となり、8人が死亡、3人が行方不明となった奈良県五條市大塔町宇井地区で4日に営まれた慰霊祭。同地区では、熊野川の対岸にある山の斜面が崩落し、土砂が襲った。参列した遺族や関係者は犠牲者の冥福を祈り、二度と悲劇が起こらないよう願った。
宇井自治会が主催の慰霊祭は地区にある慰霊碑前で営まれてきたが、今回は天候悪化のため、急遽(きゅうきょ)、近くの大塔体育館に会場を変更した。遺族を含む約70人が出席し、読経の中、手を合わせた。
慰霊祭に続いて市主催の追悼式があり、平岡清司市長は「安全で安心して暮らせるまちづくり、それが私たちの使命」などとし、「災害に強いまちづくりに一層邁進(まいしん)し、取り組んでいく」と述べた。

参列者は、慰霊祭の後に行われた追悼式で献花した

その後、参列者が献花。大和高田市の無職、西村義明さん(64)は、父の春幸さん‖当時(78)‖が土砂に巻き込まれ、行方不明のままになっている。
西村さんは14年前、数日間降り続く雨が心配になり、両親2人が暮らす宇井地区の実家に電話をしたもののつながらなかった。テレビのニュースで行方不明者の中に春幸さんの名前があるのを見つけたという。数カ月後、春幸さんの車が見つかったが、大破していた。
西村さんは「父ともっと会話をすればよかった。もっと旅行に連れて行ってあげたかったと悔やむばかり」と語る。
天理市の会社員、亀山真奈美さん(57)は母の長沼紀久世さん‖当時(70)‖を亡くした。土砂で宇井地区にあった実家は流され、紀久世さんが行方不明になったことを叔母から知らされた。郵便局で働いていた父は仕事に出かけていたため無事だった。
亀山さんが後日、実家があった場所を訪れると、家は跡形もなくなっていた。その後、十津川村のダムで紀久世さんの遺体が見つかった。行方不明になってから1カ月以上がたっていた。
亀山さんは「14年たっても1日たりとも忘れることができない。故郷の風景を見るたびに母の最期を思い、胸が締め付けられる思いがする」と打ち明けた。

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