万葉の世界観、体感を 井上博道さん写真集 英訳も
大和の古寺や風景を撮り続けた写真家、井上博道さん(1931~2012年)の写真集「奈良万葉 井上博道の万葉集の世界」(パイ インターナショナル)が出版された。万葉集の歌とゆかりの写真を掲載。現代語訳と翻訳家、詩人のピーター・J・マクミランさんによる英訳も付き、国内外の人が万葉集の世界観を体感できる一冊になっている。

出版された井上博道さんの写真集「奈良万葉」
井上さんは万葉集の歌からイメージした風景の写真を数多く残しており、光と闇が織り成す作品などが千数百年前の世界に思いをはせさせる。今回の写真集では105点を厳選し、歌は60首を載せた。
《香具山と耳梨山(みみなしやま)とあひし時立ちて見に来し印南国原(いなみくにはら)》(天智天皇)大和三山を巡るこの歌については、井上さんが桜井市内から撮影した耳成山と畝傍山(うねびやま)が幻想的に浮かび上がる写真を掲載している。
このほか、額田王や大伴旅人、柿本人麻呂らの歌とゆかりの山野や草花、月などの写真を載せており、万葉の世界に浸ることができる。
井上さんは現在の兵庫県香美町の生まれ。産経新聞社のカメラマンとして活躍し、独立後は奈良を中心に撮影を続けた。
井上さんの妻、千鶴さんは「万葉集は博道にとって生涯のテーマだった。その歌はどのような時代でも通じ、現代に撮影した風景と重ね合わせようと写真集にまとめた」と話している。
写真集は税込み2750円で、主な書店や井上博道記念館(奈良市中登美ケ丘)で販売している。


































