ササユリ奉納地元の誇り 宇陀・大神地区 率川神社「ゆりまつり」支える裏方
奈良市の率川神社(大神神社の摂社)で17日行われる「ゆりまつり」。ササユリを飾り、巫女がササユリを持って神楽を舞うかれんな祭典だが、そのササユリを集めているのが宇陀市菟田野の大神地区の人たちだ。獣害で数が減少しているうえ、温暖化で開花が早まるなどさまざまな苦労の中でササユリを集め、裏方として祭りを支えている。
大神地区は宇陀市南部の山間部に位置。地区では大神神社に農作物を奉納しており、地区の神社の祭典には大神神社の神職が参列するなど関係が深い。ゆりまつりに使うササユリも、地区の人たちが総出で集めて毎年神社に奉納しており、戦前から続いているという。
今年も地区の全18戸が参加し、周辺の山などでササユリを採取。しかし、イノシシや鹿などに球根を荒らされたためササユリの数は年々減少。採取は困難になっており、親戚などにも頼んで集めているという。
さらに大きな問題は、温暖化で開花が早まっていること。かつては祭典の直前に咲くのが普通だったが、最近では5月中に開花するササユリも目立つ。
このため、地区の人たちは2週間ほど前から山に入ってササユリを探し、開花前のつぼみの状態で採取。シイタケ栽培のために使っていた大型の冷蔵庫を活用して保存することで開花を抑え、祭りに見ごろとなるよう調整している。
ササユリの保存に大型冷蔵庫を提供している前田喜兵衛さん(75)は、「名前の通りこの地区は大神神社と繋がりが深く、ササユリを奉納できることを誇りに思います」と話す。今年、地区で集めたササユリは約270本に上った。
ゆりまつりは疫病を鎮めるために始まったとされる祭りで、1300年以上の歴史を持つ。16日には桜井市の大神神社拝殿で、率川神社にササユリを送る「ささゆり奉献神事道中安全祈願祭」が行われ、神社で育てたササユリを含めて「ささゆり奉仕団」の人たちが電車で奈良市まで輸送。率川神社で神前にササユリを飾った。
大神地区の区長の男性(61)は「温暖化や数の減少などいろいろな苦労もあるが、古くからの伝統であり、これからもゆりまつりのために協力していきたい」としている。
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