天皇陛下、生前退位ご意向 奈良県内でゆかりの人たちもご健康気遣う声
生前退位の意向を周囲に示された天皇陛下。橿原神宮(橿原市)や大神神社(桜井市)などがあり、皇室とゆかりが深い県に天皇、皇后両陛下はたびたび足を運ばれてきた。県内では両陛下のこまやかなお気遣いを思いだし、お身体を心配する声などが相次いだ。
「これからがんばってください、という励ましの言葉をかけてもらい、本当に感激した」。平成26年11月、両陛下は「全国豊かな海づくり大会」の式典臨席などのため県を訪問、23年9月に発生した紀伊半島豪雨の被災者と懇談された。豪雨で母親=当時(90)=を失った十津川村の会社員、市原光留さん(65)は両陛下からかけられたお言葉と励ましを今でもよく覚えている。
見守られている気持ちになり「自分自身がしっかりしないと」と、生きる気力にもつながった。生前退位のご意向については「陛下の体調が心配だった。ご自身が決められたのであれば尊重したい」と話す。
当時両陛下が昼食のために訪問されたホテル杉の湯(川上村)の従業員、伊藤愛さん(36)は「両陛下の周囲の人たちに対する気遣いがすばらしく感動した」と話す。エレベーターに乗り込む際など、にこやかに「ありがとう」と頭を下げられる姿が印象深かったという。「さびしいなという気持ちはあるが、こんな山奥に来られた際も過密スケジュールだった。ゆっくりしていただきたい気持ちもある」。
両陛下が立ち寄られた天理市文化センターで当時所長を務めていた同市市民協働推進課長の川畑勝達さん(59)は、「陛下は決められた範囲よりもさらに前に出て、沿道の市民に手を振ったり、笑顔を見せたり、とても気をつかっておられた」とし、「生前退位のご意向は、陛下ご自身のお考えであればそれも1つの選択。これからはご体調に合わせて、ゆっくりしていただきたい」と話した。
今年4月、両陛下は神武天皇の式年祭に臨み、明日香村の高松塚古墳なども視察された。橿原考古学研究所の菅谷文則所長(73)は「4月にお迎えしたときは本当にお元気な様子だったので、生前退位の報道には驚いた」とし、「皇室典範には退位の規定がないようだが、元気なうちに退位しようとお考えになったのだろう。退位されたあとは研究を続けていただくことがいいのかもしれない」と話した。
両陛下が来県の際、たびたび宿泊された奈良ホテル(奈良市)の副総支配人、鈴木栄二さん(64)は「陛下は本館の階段を上がる際、いつも皇后さまの手を自然に取られていた。お優しい人柄を感じた」と振り返り、「ご公務は大変なスケジュールだったように思う。ただただご健康に過ごされてほしい」と願っていた。
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