【鹿角抄】問題は「無法地帯」状態だ 奈良市環境清美センターの〝無断ジム〟
「公共の施設にこんなものがあるなんて」。7月、奈良市のゴミ処理場「環境清美センター」駐車場棟4階に設置されていることが明らかになったトレーニングルームを初めて見たときの率直な感想だ。
その存在は、7月12日午前に開かれた仲川げん市長の定例記者会見で仲川市長が明らかにした。終了後に現場を見に行くと、鉄筋5階建ての武骨な外観の建物4階の一角で、柱間がベニヤ板で仕切られていた。エアコン3台の室外機があり、階下まで延ばされた電線で電力も確保されていた。
入り口が施錠されていたため、報道陣は公開を求めたが、カギを管理する環境部の40代男性職員が「誤解を与えるような報道につながりかねない」と断固拒否。「違法なものを開けられないというのはおかしい」「市の命令に従わないとは、どんな管理状態なのか」と抗議したが、市も強制的に解錠はせず、この日は市が事前撮影した写真が提供された。
写真には、ベンチプレスやバーベルプレート、ラットプルマシンなどがフィットネスジムさながらに並べられ、大きな鏡やマットがそろう風景が写っていた。ある市職員は「かなり本格的。本気度が伝わってくる」とあきれた。
だが、これに対し市従業員労組は、「施設は仕事上の事故や腰痛防止の対策で予算化された」とし、「トレーニング室は私的ではない!」「仲川市長はでたらめをいうな!」などと書いたビラを配布して猛反発。調べてみると、平成12年度に50万円分のトレーニング器具が公費で購入されていることが記録に残っていた。
21年に就任した仲川市長は、トレーニングルームの存在を明かした記者会見当時は「経緯を知らなかった」という。だが、「過去に認めたことがあったといっても、今の世の中の常識からみてどうか。合理的に残す理由はない」と指摘し、7月末までに施設は撤去された。だが、現場は今も移転存続を求めているのだという。
市によると、公費で同様の施設を現在も設置している自治体は兵庫県明石市のみ。かつて「福利厚生」の一環として設置されていたところも、時代の変化に対応したようだ。
実は、取材を通じて調べてみた駐車場棟はトレーニングルームだけでなく、アダルトビデオとテレビを置いたプレハブ小屋も無断設置されるなど、驚くべき〝無法地帯〟状態だった。そもそもの問題は、公共施設でこのような状態が放置され、ガバナンスが効いていなかった点にある。今後、その根本的な問題はどう改善されていくのか。今後の展開を注視したい。(神田啓晴)
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