戦国のキリシタン大名・高山右近の「福者」認定祝う 25日に橿原で記念講演会
戦国時代のキリシタン大名・高山右近(1552~1615)が、カトリック教会で崇敬を受ける対象の「福者」に認定されたことを祝う「列福記念講演会とコンサート」が25日午後0時半から、橿原市の橿原文化会館小ホールで開かれる。
右近は摂津国で生まれ、幼少期を大和の沢城(現宇陀市)で過ごした。12歳の時にキリスト教の洗礼を受け(洗礼名ユスト)、21歳で高槻城主となり、キリスト教を保護。その後、豊臣秀吉に棄教を迫られ、領地を没収されるものの信仰を守り、徳川幕府の禁教令のため1614年にマニラに追放。翌年同地で病気のため没した。
福者は、カトリックでは「聖人」に次ぐ崇敬対象。信仰を守った右近を福者にしようという活動は死後直後から始まり、戦後も日本のカトリック教会によって列福活動が続けられ、今年1月、ローマ教皇が右近を福者と認定した。
講演会では、キリシタン史が専門の五野井隆史・東京大学名誉教授が「右近の生きた歴史的環境」をテーマに講演。カトリック奈良南聖歌隊や典礼聖歌奉仕会によるコンサートが開かれ、右近に関連した版画展なども開催される。
ローマ教皇庁による右近の列福式は、来年2月7日正午から、大阪市の大阪城ホールで行われる。日本司教団の一員として一昨年、バチカンに列福を求める嘆願に行き、25日のコンサートにも出演する橿原市合唱協会会長の仲川久代さん(78)は、「私の生きている間に右近が福者に認定されるとは思っていなかったので、本当にうれしいです」と話している。
講演会・コンサートの入場料は千円。問い合わせはカトリック大和八木教会(☎0744・22・3855)か、仲川さん(☎0744・23・0330)へ。
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