【ならスポ】インターハイV 幼なじみペア 競い合い成長
今夏の全国高校総合体育大会(インターハイ)で、なぎなた女子演技の部で県勢初の優勝を果たした奈良育英高校(奈良市)なぎなた部2年の井口晴奈さん(17)と木村祐実さん(16)。幼い頃からライバルとして競い合ってきた2人は、「正反対」という性格ながら絶妙なペアとしてそれぞれの力を発揮してきた。さらなる高みを目指し、日々練習に励んでいる。
友人の誘いで小学3年から学校のなぎなたクラブに入ったという井口さんは、「小学生のころはずっと嫌だった」と話す。大会ではいつも1回戦負け。「センスもないし、やめようかな」とずっと思っていた。
一方、幼稚園でなぎなたを始めた木村さんも同じクラブに所属。「小さいころから体格に恵まれていた」こともあり、小学生時代は全国大会で演技や個人の部で度々優勝する〝エリート〟だったという。
そんな姿に、「木村に勝ちたい」と発奮したのが井口さん。嫌々だった練習にも集中して取り組むようになり、奈良育英中2年で出場したジュニアオリンピックでは個人戦3位に。一方、「昔は大会は好きだったが、大の練習嫌いだった」木村さんは、個人戦では井口さんに勝てなくなっていた。
「強くなりたい」と、木村さんも井口さんが進む奈良育英高校に進学。そこから、2人のペアが始まった。
なぎなたの演技競技は、技をかける「しかけ」と、受ける「応じ」の2人1組で型を演じ、優劣を競い合う。姿勢や打突の正確さ、気勢、2人の調和や間合いなどの優劣により勝敗が判断される。

ポーズを決める木村祐実さん(左)と井口晴奈さん

演技の練習に励む木村祐実さん(左)と井口晴奈さん
2人を「本当に性格が正反対」と評する奈良育英高校なぎなた部監督、小嶋弘美さん(51)は、「強気で勢いのある」木村さんが「しかけ」、「我慢強く、相手の気持ち受けきれる強さがある」井口さんが「応じ」でペアを組むよう勧めた。
「練習する度にけんかする」というが、「互いに遠慮がないことで、信頼し合えているのでは」と小嶋さん。2人で初めて臨んだ今年1月の近畿大会では3位に。今夏のインターハイも「楽しみながら」決勝まで勝ち進んだ。
そして臨んだ決勝は、「今までで1番のびのびとした演技」(小嶋さん)で強豪の県立須恵高校(福岡県)に5―0で圧勝。うれしさのあまり号泣する木村さんの隣で、「優勝の実感がわかなかった」と井口さんは呆然としていたという。こんな場面でも、2人は正反対だった。
今月、岩手県で行われた国体にも出場。だが、「全国制覇のプレッシャーがあった」と、5位入賞に終わった。「全然満足できない」(木村さん)、「これが今の実力。もっと気持ちに余裕を持って試合に臨めるようにしたい」(井口さん)と、気持ちを新たにまた練習に励んでいる。
「まだまだ演技も、気持ちも未熟。インハイは2連覇、目指しますよ」。強い口調で誓った2人のさらなる成長が楽しみだ。 (神田啓晴)


































