【奈良正論】「中国の台頭に備えよ」 宮家邦彦氏、シーレーンの守り重要性強調
奈良「正論」懇話会の第62回講演会が25日、奈良市の奈良ホテルで開かれ、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦氏が「戦後70年の日本外交」をテーマに講演し、「冷戦時代に働いていた抑止機能はもうない。これからは中国の台頭に備えなければならない」と主張した。
宮家氏は「中国の海洋戦略の前に立ちはだかるのが日米同盟だ」とし、「日本は現状のシーレーン(海上交通路)をなんとしても守らなければならない」と強調。「憲法9条があるから平和が守られているというのは『夢みる夢子』の空想的平和主義だ」と断じた。
成立した安保関連法については「米国のみならず、オーストラリアなど海洋国家とのつながりを深め、抑止を働かせるものだ」と評価。尖閣諸島をめぐっては中国と「我慢比べとなる」と指摘し、海上保安庁の強化などを課題に挙げた。
プロフィル=宮家邦彦(みやけ・くにひこ) 昭和28(1953)年、神奈川県生まれ。東京大卒業後、外務省で在中国公使、中東アフリカ局参事官などを 歴任。第1次安倍晋三内閣では首相公邸連絡調整官を務めた。現在は外交政策研究所代表、キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)研究主幹。
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