【奈良の伝統】 火の粉飛び散る迫力 古式包丁鍛冶を実演 「菊一文殊四郎包永」
2017年09月25日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
鎌倉時代の刀鍛冶技術を受け継ぐ奈良市雑司町の刃物店「菊一文珠四郎包永」が、平成9年に米・ニューヨークに進出してから20周年を迎えたことを記念し、24日、古式包丁鍛冶を実演。火の粉が飛び散る迫力ある作業に、訪れた人たちは見入っていた。
実演を行ったのは、30年以上の実績を持つ伝統工芸師の榎並正さん(55)ら鍛冶職人3人。この日は、1100度の炉で熱した地金に刃金をつけ、鎚でたたく「刃金付け」の作業を披露した。また、柄付け師・銘切り師による「柄付け」や「銘切り」の実演なども行われた。
菊一文珠四郎包永の柳沢育代社長(49)は「作業を見て少しでも鍛冶職人の仕事に興味を持ってくれる方がいれば」と話した。
このほか、「刃金付け」の体験も行われ、京都市の自営業、鈴木直さん(47)は「実際にやってみるとかなり難しかった。日本伝統技術の原点に触れることができてうれしい」と話していた。