台風21号、奈良県で少なくとも6人負傷 十津川は観測史上最大瞬間風速
強い勢力を保ったまま4日、近畿地方を縦断した台風21号。奈良県内でも、十津川村風屋で観測史上最大となる最大瞬間風速41・6㍍を観測するなど暴風が吹き荒れ、各地でけが人や住宅の損壊が相次いだ。県南部では降り始めからの総雨量が200㍉を超えている地域もあり、県などは土砂災害への注意を呼びかけている。
奈良地方気象台によると、同村風屋では午後0時49分に最大瞬間風速41・6㍍を観測。奈良市でも午後2時5分に同37・4㍍を観測した。消防などによると、風の影響で、県内では午後7時半現在で少なくとも6人が負傷。天川村では木造3階建て住宅の屋根の一部が飛んだほか、大和郡山市で民家の外壁の一部がはがれているのが確認された。
4日昼前からは急激に雨脚が強まり、降り始め(3日午後5時)から4日午後4時までの総雨量は、十津川村風屋で204・5㍉▽下北山村佐田で175・0㍉▽上北山村小橡で170・5㍉-に上った。5日午後6時までに予想される24時間雨量は北部で最大60㍉、南部で最大100㍉となっている。
県によると、午後4時現在、十津川村の25世帯53人に避難指示が発令。5市村5万3281世帯12万2987人に避難勧告が出され、34市町村で2227人が避難した。
また、県教委によると、台風の影響で4日は県内の全公立小中学校、高校など計465校が臨時休校になった。