奈良の乾杯ツールに、日本酒ベースのスパークリング「ならのあわ」誕生
令和に登場したお酒、奈良の乾杯シーンを彩る―。「古都のお酒で乾杯しよう実行委員会」が企画し、奈良豊澤酒造(奈良市)が製造した日本酒ベースのスパークリング「ならのあわ」の販売が改元とともに始まった。奈良市には地元の清酒で乾杯する条例があるものの、なかなか定着していないといい、実行委は新たな〝乾杯ツール〟として浸透することに期待を寄せている。
「ならのあわ」は、ほんのりとした甘さの微発泡酒で飲みやすさにもこだわっている。アルコール度数は5%と低めでメインターゲットに据えたのは30~40代の女性だ。ボトルは200㍉㍑の飲みきりサイズで小売価格は1本400円(税抜き)。県内の酒類販売店や飲食店を中心に初年度販売本数は5千本を予定している。
奈良の乾杯条例は施行から約5年が経過。同様の条例は京都市など各地で施行され、実行委によると、京都市では地元の酒による乾杯が定着しつつあるが、奈良の場合は各種会合で地元の酒での乾杯を励行しているのはごく一部だという。
こうした現状について、実行委員長で酒類卸売会社「泉屋」(奈良市)の今西栄策社長は「『乾杯に使いたい』と思える奈良のお酒がなかったのではないか」と考え、新しい酒の開発を検討。奈良豊澤酒造に製造を委託し「ならのあわ」が完成した。
乾杯に最適で、ビールやハイボールのように手軽に味わえ、シャンパングラスにも映える。奈良市飲食店組合(増井義久組合長)とも連携して家庭用・業務用双方で展開し「地酒とともに奈良の良さを内外に広めていきたい」(今西社長)としている。