奈良市 「宿泊税」導入へ 来年度中目指し
2019年10月25日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
ホテルや旅館などの宿泊客から徴収する「宿泊税」について、奈良市は24日、最終の検討懇話会を開き、導入する方針を決めた。来年の3月議会に条例案とシステム改修などの関連予算案を提案する予定で、仲川げん市長は「来年度中の導入を目指したい」としている。
市によると、宿泊税は1泊200円を基本として、高級宿泊施設については増額などを今後検討する。税収は年間約3億3千万円、徴税コストは約7千万円を想定しているという。
税の使途は、無料Wi―Fiや防災・観光情報を発信するデジタルサイネージの整備、観光トイレの清掃に加え、奈良のシカのポリ袋誤飲対策やならまちの保全など、宿泊客のメリットとなる施策を中心に検討する。
宿泊税については仲川市長が今年2月、「観光振興施策を打っていくために専用の財源が必要」として、導入を前向きに検討すると表明。7月に懇話会を発足し、有識者による検討を進めていた。
この日の懇話会では、一部の委員から「宿泊者が観光客の10%しかいない状況で、課税するのは不公平感があるのでは」といった指摘があったが、導入については「合理性がある」との意見で一致した。仲川市長は「5年後、10年後も奈良の魅力向上に寄与するものにしたい」と話した。