全国の「一の宮」色彩豊かに 日本画家・西田さん作品展 万葉文化館
全国各地にある一の宮を描き続けている日本画家、西田真人さん(67)の作品を集めた特別展が明日香村の万葉文化館で開かれている。長い歴史を秘め、変化に富んだ一の宮の姿が色彩豊かに表現されている。来年1月26日まで。
一の宮は地域で最も格式高いとされる神社で、全国に101社ある。特別展では、下絵や写生を含め約120点を展示。このうち「美和」は大和国(奈良県)一の宮の大神神社に関連する作品で、三輪山に虹がかかり、その麓で栄えた纒向遺跡に住居などが立ち並ぶ光景を描いている。駿河国(静岡県)一の宮の富士山本宮浅間大社を描いた作品は「畏敬」。ご神体である富士山で見た火口の荒々しさを表現している。
このほか、住吉大社(大阪市)の「虹桟」、鹿島神宮(茨城県)の「杜」、出雲大社(島根県)の「稲佐の浜」なども。また、伊勢神宮(三重県)の内宮・外宮と神苑の松を描いた作品や、大神神社境内の遺跡で見つかった考古資料、英国を訪れた際の風景画も展示されている。
西田さんは神戸市出身。母校である京都市立芸術大教授を平成29年まで10年間務め、現在は全国の一の宮を描く活動に取り組んでいる。12月1日と来年1月15日のいずれも午後2時から、西田さんによるギャラリートークがある。問い合わせは万葉文化館(0744・54・1850)

三輪山を描いた「美和」