Bリーグ今季残り試合中止 バンビシャス選手ら落胆
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、バスケットボール男子のBリーグは、今季の残り全試合の中止を決めた。2部(B2)のバンビシャス奈良はすでに中止が決まっていた5試合を含め、13試合を残して今季のレギュラーシーズンが終了。加藤真治代表からBリーグの決定を伝え聞いた選手らは、ショックを隠せない様子だった。
チームは27日午後、田原本町の県営福祉パークで練習する予定だったが、急遽中止に。加藤代表は「残念だが、ファンに前向きなメッセージを届けられるよう頑張りましょう」と選手らに呼びかけた。
新たにクリストファー・トーマス・ヘッドコーチを迎えたバンビシャスは今季、得点力が飛躍的に向上。1試合平均71・9得点とリーグ18チームで最下位だった昨季とは一変し、今季は同2位の84・3点に。見違える進歩を遂げていただけに、本多純平主将は「残り試合も戦うつもりで準備していたので、やりきれない思い。みんなと最後までバスケットをしたかった」と胸の内を明かした。
財政面の打撃も大きい。今季開幕時点で約4千万円の債務超過を抱え、B3降格の危機に直面。ロート製薬(大阪市)とのトップパートナー契約締結や増資などで債務超過解消のめどを立てていた。だが、無観客となった2試合を合わせ、ホームゲーム8試合の収入がなくなり、スクールの休止なども含めると損失は2千万円近くに上る。
加藤代表は「われわれだけでなくリーグ全体が危機的な状態。新型コロナウイルスの問題が長引けば、深刻な事態になりかねない」と危機感を募らせる。一方で「試合がなくても、プロスポーツチームとして皆さんに前向きになってもらえるものを発信していかないといけない」と話し、選手の動画配信などインターネットを活用したファンサービスを計画中という。