「文化財防災センター」開所 国立文化財機構、奈文研本部に常設
2020年10月4日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
災害から多様な文化財を守るため独立行政法人・国立文化財機構は1日、「文化財防災センター」の開所式を本部とする奈良文化財研究所(奈良市)で行った。常設の機関を設置することにより、災害時の初動対応の迅速化や連携の強化などを図る。
地震や台風などの災害が相次ぐ中、これまでの文化庁の補助金事業に代わり文化財防災センターを常設した。機構の6施設を東西ブロックに分け、東京文化財研究所と奈良文化財研究所をそれぞれの中核拠点として、大規模災害時には前線対策本部とする。
関連組織のネットワークを生かし、文化財を被災しないようにする減災を図るとともに、被災した文化財の迅速な救援のための体制づくりと技術開発、災害発生時における文化財救援活動の支援を展開。地域防災体制の構築や、災害時ガイドラインの整備などを柱としている。
開所式では、文化財防災センター長を務める高妻洋成・奈良文化財研究所副所長がセンターについて説明。「わが国の文化財防災は課題が山積している。防災のレベルを上げることができるよう邁進したい」とあいさつした。その後、センターの看板かけなどが行われた。