冬の奈良泊は最大半額も、ネットでクーポン 「4万人増やす」と知事
冬の宿泊をお得に―。観光閑散期となる冬季に観光客を呼び込もうと、県は県内の旅館やホテルの宿泊料が最大50%割引となるクーポン券を配布する。配布は4つのインターネットサイトで13日からスタート。宿泊対象期間は平成28年1月4日から2月29日まで。
県では1月末から2月初めにかけ、奈良市の平城宮跡周辺で県内の伝統行事を集結させるイベント「大立山まつり」(仮称)を開催予定。荒井正吾知事は「1、2月の県内宿泊者数を前年比で4万人増やしたい」と意気込んでいる。
クーポンが配布されるのは「楽天トラベル」、「るるぶトラベル」、「Yahoo!トラベル」「じゃらんnet」の4つのサイト。クーポンの額面は千円から5万円で、利用したいサイトに会員登録の上、特設サイトで獲得する。宿泊プランを予約する際、獲得したクーポンを使うと額面そのままが割引される仕組みだ。
県が負担する割引額の総額は約2億1千万円。県内約240のホテルや旅館が対象で、売り切れ次第終了。「じゃらんnet」は13日午前10時10分から、ほかの3サイトでは同日午前10時から配布される。
ふるさと旅行券は全国的人気、キャッシュバックなどの特典
楽しい思い出になる旅行だが、出費としては大きい・・・。家計を助け、県内の宿泊客増につながる宿泊割引クーポン券は、冬の観光客の落ち込みが激しい奈良で、観光振興の起爆剤となることが期待されている。
同様の割引クーポン券は、国の交付金を基にすでに各自治体が次々と配布。「ふるさと旅行券」として人気を集めており、格安旅行を紹介するインターネットサイトでは「早い者勝ち!」「お得な旅を満喫」などと銘打ち、地域別に特集も組まれている。
今年4月には、鳥取県が県内の旅館などで利用できる額面1万円のプレミアム付き宿泊券の予約受付をコンビニの電子端末で始めたところ、わずか4分で〝完売〟し、話題に。県でも6月19日~7月31日まで、最大5千円の宿泊料を割引くキャンペーンを実施した結果、156施設で2万7912人が利用。延べ宿泊者数は前年同期より約4万7千人増え、平均客室稼働率も9・3%増加したという。
特に、十津川村では路線バス運賃のキャッシュバックキャンペーンとも重なり、前年比約72%も増加。担当者は「冬にもお得なクーポン券を活用して、より多くの観光客に来てほしい」と話す。
一方、他の自治体では割引された旅行券がインターネットで割高で転売されたケースも。県観光産業課の担当者は「配布する割引クーポン券は会員登録した上で1人3枚まで。各サイトが転売防止措置を徹底している」と説明。「コンビニなどで手に入れる『リアルチケット』ではなく、オンライン上の券となるため、転売の恐れはないと考えている」としている。
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(関西のニュースは産経WEST http://www.sankei.com/west/west.html)