王寺工業高生が「令和七支刀」を製作 天理市に寄贈
2021年02月8日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
県立王寺工業高校(王寺町)は、石上神宮(天理市)に伝わる古代の鉄剣で国宝の「七支刀」を真鍮で再現した「令和七支刀」を天理市へ寄贈した。
七支刀は、左右段違いに3本ずつの枝刃がある特徴的な形をした刀。4世紀に百済王が自国で製作し、倭王に贈ったとされる。
昨年同校機械工学科を卒業した6人が製作。高熱で溶かした金属を型に流し込み加工するといった鋳造法を学ぶ授業の一環として平成年4月から着手し、1年間かけて完成させた。
「レプリカも少なく成功したらすごいんじゃないか」と気軽に始めたものの、設計図を作ることから、困難を極めたという。猛暑の夏に、千度を超える溶かした金属を木枠に流し込む作業も。
今月1日、天理市に寄贈に訪れたのは昨年同校を卒業した、和歌山市の会社員、天野己太郎さん(18)と、橿原市の会社員、和田浩生さん(18)。天野さんは「僕らが卒業して限られた人しか見られないでいるより、いろんな人の目に触れてみてもらいたい」と話した。天理市は「人の目が触れる市役所の玄関に飾りたい」としている。