魔曲とともに 智弁学園2回戦へ
第93回選抜高校野球大会第4日の23日、智弁学園はセンバツ10連勝中の大阪桐蔭(大阪)と対戦。好機を着実に生かしてリードを守り抜き、注目の優勝候補対決を制した。2回戦は大会第8日第1試合で、広島新庄(広島)と対戦する。
一回、智弁学園は無死満塁から主将の4番・山下が犠牲フライで1点を先制。さらに、1死満塁から6番・植垣がレフト線へ走者一掃の二塁打を放つ。
「『緊張を楽しんで』と息子に言ったが、自分は怖くてどきどき」という植垣の母、陽子さん(46)は大喜び。応援団長の藤本重光さん(17)は「応援のやりがいがある。このまま打ち勝ってほしい」といっそう力を込めた。
スタンドからは、事前録音した吹奏楽部の応援曲が流れ、選手を奮い立たせた。「(コロナ禍で)甲子園で演奏できないと聞いて落ち込んだ部員たちが、甲子園をイメージしながら録音した」と同部顧問の木山竜志さん(35)。
大量得点をあげるとのジンクスから魔曲といわれる「ジョックロック」、軽快なリズムが高揚感を誘う、人気アニメ「ルパン三世」の映画挿入曲などが実際の演奏さながらに、スタンドの熱気を盛り上げた。
小坂将商監督は「(大阪桐蔭に)甲子園で勝てて、ものすごく自信になった」と勝利を振り返った。

【智弁学園|大阪桐蔭】智弁学園は一回、4番山下の犠飛で岡島が生還し先取点を奪う=甲子園球場(岩川晋也撮影)