天理、13年ぶりベスト8 中村監督「できすぎ」
第93回選抜高校野球大会第6日の25日、天理(奈良)は2回戦で高崎健康福祉大高崎(群馬)と対戦。初回に3連打で先制すると、先発のエース達が強力打線を2安打無失点に抑える快投を演じ、13年ぶりのベスト8進出を決めた。準々決勝は大会第9日第1試合で仙台育英(宮城)と対戦する。
天理は初回、1番・内山からの3連打で先制。二回には9番・政所の適時打で加点した。序盤から優勢だが、相手は公式戦の本塁打が出場校中最多と抜群の破壊力をもつだけに、スタンドの緊張感は解けない。
「守りでミスをせず、落ち着いて粘っていくしかない」と野球部副部長の島正幸さん(25)。その言葉通り、達は三回に連続四球で招いたピンチを牽制で二塁走者を刺してしのぐと、四回には捕手・政所が矢のような送球で二盗を阻止した。
七回、2死一、二塁の場面で4番・瀬が放った打球は左中間をやぶり、2点適時二塁打に。待望の追加点に、バトントワリング部の面々にも笑顔がはじけた。同部キャプテンの秋岡心花さん(17)は「コロナ下で声が出せない分、踊りのキレで気持ちを伝えてきた。叫びたいくらいうれしい」。
中村良二監督は「まさか現実になるとは思わなかった試合展開。できすぎの、できすぎの、できすぎ」と振り返った。

【天理ー健大高崎】天理は七回、4番・瀬が左中間へ2点適時二塁打を放つ=甲子園球場(彦野公太朗撮影)