天理、決勝進出ならず 2番手 好投も打線沈黙
第93回選抜高校野球大会第10日の31日、24年ぶりのベスト4に勝ち上がった天理は、準決勝で東海大相模(神奈川)と対戦。これまでの3試合を力投したエース達に代わって大役を任された先発の左腕・仲川が好投したが、相手エースの前に打線が沈黙し、得点を奪えぬまま敗退。決勝進出はならなかった。
初夏のような日差しに冷たい六甲おろしが吹き抜ける甲子園。初回に適時打で1点を先制された仲川は二回以降、〝2番手〟とは思えない落ち着いたマウンドさばきで相手に的を絞らせず、ピンチの場面も内野ゴロに打ち取っていく。
そんな守りのいいリズムが、攻めにつながらない。野球部の寮長兼コーチの西尾弘喜さん(31)は「このレベルのチームはそう簡単にはいかない」と、必死に突破口を開こうとする選手たちをスタンドからじっと見つめる。
好機が巡ってきたのは六回。先頭の9番・政所がセンター深くに二塁打を放つと、スタンドは最高潮に盛り上がった。しかし、後続が三振、内野フライ、三振と手が出なかった。
相手エースを攻略できないまま敗戦。野球部OBの寺垣徳成さん(18)は「この負けを生かして弱点を克服し、夏に戻ってきて優勝してほしい」と後輩たちにエールを送った。
内山主将は「まっすぐにキレがあり、相手が上だった。悔しい」、中村良二監督は「(ベスト4は)僕の中では大満足の結果。夏に向けて宿題を残したので、成長を楽しみにしたい」と甲子園を後にした。