独自の「緊急対処措置」飲食店、商業施設への休業要請は実施せず
ゴールデンウイーク(GW)が始まるのを前に、県は27日、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、感染防止のため独自の緊急対処措置を策定、発表した。期間は4都府県に発令された緊急事態宣言に合わせ、5月11日まで。荒井正吾知事は「(感染拡大を)GWで抑え込みたい」と話した。ただ、大規模な休業要請は行わず、飲食店の営業時間短縮の要請については市町村に判断を任せる形となった。
緊急対処措置は、大阪府などに発令されている緊急事態宣言の内容を受け、県の独自の対応を示したもの。酒類やカラオケ設備を提供する飲食店や大型商業施設への休業要請は、「県民生活に著しい支障を伴い不適合」とし、実施しないことを決めた。
一方、飲食店への時短要請は「市町村が実施し、協力金を支払う場合、県が同額を上乗せして支援する」とした。
これについて荒井知事は「市町村長のほうが、地元事情や時短の効果があるかどうか詳しい」とした上で、「大阪で飲めないから奈良に来るというのを防がないといけない。市町村から時短要請をしたいと言われれば、県も一緒に同額の負担をしたい」と述べた。
県内では奈良市が市内の飲食店に対し、午後8時までの時短営業を要請しているが、他の市町村は独自の要請を出すには至っていない。
担当者は「迅速に要請が出せるよう市町村と協議したい」と説明。複数の自治体から「早急に時短要請を出せるよう検討したい」と連絡があったという。
また、県は感染防止対策を適切に実施する事業者を市町村とともに認証する制度を創設する。設備の導入の費用を支援する方向で詳細な中身を詰めるという。
措置では、「県外からの来訪者が訪れる可能性の高い店舗、施設について感染予防の配慮をお願いしたい」と呼びかけている。
一方、県民にはGWに大阪など感染者が多い地域には行かずに、県内で家族と過ごしてほしいと要請。「危機を乗り越えるために県民が一丸となって感染防止対策に取り組む必要がある。市町村と連携し、近隣府県からの不要不急の往来を防ぐ対策を実行したい」とした。
措置の内容は、県のホームページに掲載している。
GW後の県の対応について、荒井知事は「(4都府県への)緊急事態宣言が延長されれば、県の措置も同じように付き合いたい」とし、大阪府などの感染状況の動きと同調する考えを示した。