万葉故地訪ねるガイド出版 奈良まほろばソムリエの会
2021年05月5日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
県内の万葉歌ゆかりの地を訪ねてもらおうと、NPО法人・奈良まほろばソムリエの会(豊田敏雄理事長)の会員が執筆したガイドブック「奈良通が選んだ 奈良万葉の旅百首」(京阪奈情報教育出版)が出版された=写真。万葉歌100首と故地が紹介され、散策を楽しめる一冊となっている。
同会の設立周年を記念して出版。執筆は会員人で、監修は万葉学者として知られる上野誠氏。各エリアに分けて万葉歌を、ゆかりの地の写真などとともに紹介している。このうち、[隠りくの泊瀬の山の山の際にいさよふ雲は妹にかもあらむ](柿本人麻呂)については安井永さんが執筆。「山に漂う雲は亡くなったあの娘なのか」と説明し、葬送の地だった「隠口の泊瀬」などを紹介している。
このほか、三輪山や大和三山、飛鳥川、佐保川、春日野などを詠んだ歌を掲載しており、手軽な入門書としても活用できる。
同会の鉄田憲男専務理事は「万葉歌は感情をストレートに表現しているうえ、いろいろな層の人が詠んでいるのが魅力。ガイドでは故地の最新の様子を伝えています」と話している。1冊千円(税別)。