キトラ古墳と極彩色壁画を紹介する「キトラ・アトラス」を開設 文化庁
2021年05月13日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
文化庁は「キトラ古墳壁画保存管理施設」のホームページ内に、明日香村の特別史跡・キトラ古墳(7世紀末~8世紀初め)と古墳の石室に描かれていた極彩色壁画(国宝)を紹介、解説するコーナー「Kitora|Atlas」(キトラ|アトラス)を開設した。
鮮やかな壁画の写真を見ながら、古墳の全貌を知ることができる。
キトラ古墳は村南部にある終末期古墳(直径13・8㍍)。キトラ―アトラスでは詳しい墳丘・石室の構造を説明し、石室各面に描かれていた壁画については、確認された玄武、青龍、朱雀、白虎、天文図と十二支の子、丑、寅、午、戌、亥の11個の残り具合や全体像を解説している。
また、被葬者の棺に付けられていた金銅製鐶座金具や、大刀を吊り下げるための鉄地銀張金象嵌帯執金具など10個の遺物も取り上げている。
キトラ古墳では昭和58年にファイバースコープ調査で玄武が発見され、高松塚古墳に次ぐ極彩色壁画古墳として大きな注目を集めるようになった。
その後、各壁画が次々に見つかり、発掘調査を経て保存のために壁画のはぎ取りが行われた。壁画は古墳そばにつくられた保存・展示施設「四神の館」で年4回公開されている。