密避け 唐招提寺で関係者だけのうちわまき
2021年05月20日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
唐招提寺(奈良市)で19日、鎌倉時代に同寺を復興した覚盛上人をしのぶ「中興忌梵網会」が営まれた。恒例の「うちわまき」は新型コロナウイルス感染防止のため関係者らのみに向けてうちわがまかれた。
うちわまきは、覚盛上人が蚊をたたこうとした弟子を戒めたことから、上人の死後に蚊をはらううちわが供えられたことが始まりと伝わり、例年は多くの参拝者が訪れる人気行事だ。今年は境内の鼓楼から僧侶がハート形のうちわ(宝扇)約50本を間隔を開けて待つ関係者らに向かってまいた。うちわは長さ約40㌢で、魔よけなどになると伝えられている。
唐招提寺の岡本元興長老は「コロナ禍にあって試行錯誤しながら、伝統行事の思いは伝えたい」と語った。