大卒就職内定率90・8% 新型コロナで低下
2021年06月9日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
奈良労働局は令和3年3月に県内の大学を卒業した新卒者の内定率が90・8%(3月末現在)で、前年同期比で5・8㌽低下したと発表した。新型コロナウイルス感染拡大により、企業が採用人数を絞った影響とみられ、雇用環境の厳しさが新卒採用にもあらわれた。
奈良労働局によると、県内大学の新卒者の就職内定率はこれまで上昇傾向で推移しており、昨年3月末は96・6%だった。しかし、コロナ禍で景気が冷え込み、インバウンド(訪日外国人)需要が激減した観光業などを中心に業績が悪化。先行きへの不透明感から、企業が採用人数を抑制し、学生の就職活動も制限されたことで、内定率の低下を招いたとみられる。
男女別では男子が2・6㌽低下の93・2%、女子は8・5㌽低下の88・8%で、女子の下落幅が大きかった。
短期大学の卒業者の内定率は7・1㌽低下の86・1%。高等専門学校の内定率は3・8㌽低下し、96・2%と7年ぶりに100%を割った。