「お出かけGO」で高齢者支援 大和郡山・矢田地区
2021年08月6日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

高齢者の「足」となるクルマ「矢田おでかけGO」
車を運転できない高齢者の「足」を支援する取り組みが、大和郡山市の矢田地区でスタートした。8人乗りの車両「矢田おでかけGO」で自宅近くから最寄りのバス停まで送迎する。65歳以上の高齢者が対象。市は「住み慣れた地域で安心して暮らし続けてもらいたい」としている。
矢田地区の65歳以上の高齢者の割合は、令和2年3月で39.75%、12年には47.8%となると予測され、市内でも高齢化が進む地域だ。市は今回の取り組みをモデル事業とし、車のリース代や維持費など約200万円の予算を組んだ。
事業を展開する地域は同地区の城ケ丘自治会。場所によっては最寄りのバス停まで坂道を歩いて10分ほどかかるといい、高齢者世帯を中心に「買い物の足」の支援を求める声が多かった。
市は矢田地区社会福祉協議会と具体的な支援策を検討。自治会内の7カ所に乗降所を設置し、最寄りのバス停まで週3回、1日1、2往復する支援策を実施することにした。事前登録料1000円を支払った高齢者約20人が利用する。ドライバーは有償ボランティアの地域住民が受け持つ。
ドライバーを務める同協議会の寺田昭治さん(72)は「気軽に出かけることができれば、便利になるし、生活も活性化される。車内が地域交流の場となれば」と話す。市はこうした支援策を他の自治会でも実施したい考え。