豪族の優雅な暮らし伝える遺物 橿原で企画展
2021年08月17日 産経新聞奈良支局 最新ニュース

豪族が使ったとみられる石川土城遺跡出土の「瓦灯」=歴史に憩う橿原市博物館
平成27~30年度に橿原市内で行われた発掘調査の成果を紹介する企画展「かしはらの歴史をさぐる21」が「歴史に憩う橿原市博物館」で開かれている。9遺跡の出土品計100点を展示。石川土城遺跡(13~16世紀)の出土品など初公開の遺物も見ることができる。9月20日まで。
石川土城遺跡は、同市石川町にある鎌倉~室町時代の豪族城館(居館)跡で、大溝や井戸、建物跡が確認されている。企画展では、火の付いたものを中に入れて、明かりの方向を調節するために使った珍しい照明具「瓦灯」や古瀬戸の天目碗、青磁の碗(いずれも室町時代)などを公開。こうした遺物は豪族の優雅な暮らしぶりを伝えている。
藤原京跡関係では、最古級とみられる京跡出土の唐三彩の枕の破片や、銅製の鈴のほか、市役所新本庁舎建設予定地(京跡内)で出土した水を入れるための横瓶などを展示。
謎の寺院とされる石川廃寺跡で見つかった瓦、新堂遺跡で出土した木製の椅子(5世紀)や馬の骨なども紹介している。