実はすごい糞虫 奈良の中村さんが図鑑発行
2021年08月23日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
動物の糞を食べる糞虫についてまとめた中村圭一・ならまち糞虫館館長の著書「たくましくて美しい 糞虫図鑑」が、創元社から刊行された。国内外の約70種類を掲載している。中村館長は「糞虫のことをおもしろいと思ってもらえれば」と期待している。
中村館長は中学2年のとき、昆虫の標本を作る夏休みの宿題で友人が持ってきた糞虫に魅了されたという。平成30年に奈良市内に同館を開設し、国内外の約300種類を展示するまでに。
図鑑は、糞虫についてQ&A形式で分かりやすく解説している。また、約40種類が生息し、「糞虫の聖地」と呼ばれている奈良公園で観察する際のルートマップ、観察時の装備やフンコロガシの飼い方まで紹介している。
中村館長のおすすめは、キラキラと光る見た目が美しい「オオセンチコガネ」。生息地によって体色が異なり、奈良では瑠璃色の体から通称「ルリセンチコガネ」と呼ばれている。
中村館長は「これをきっかけにほかの生き物にも興味を持ち、生き物の暮らす環境にも関心を持ってもらえるとうれしい」と話している。糞虫図鑑は1870円。