往診体制強化と保健所の業務一部負担へ 県医師会の安東会長
自宅療養者の往診体制強化に乗り出した県医師会の安東範明会長は産経新聞の取材に応じ、「患者の健康を守りつつ、不安を解消したい。それと同時に、保健所の業務逼迫も防ぎたい」と語った。
医師会では診療所を地域ごとにリスト化し患者へ配布する準備を進めているといい「電話診療が中心になるが、容体の急変にも臨機応変に対応したい」と説明。健康状態の観察には、血中酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」が不可欠で、県には全患者に配布するよう求めた。そのうえで保健所の業務についても「書類整備などできるところは業務負担したい」と話した。
一方で感染拡大のたびに逼迫する病床は「打ち出の小づちのようには増えない」と指摘。感染症専門病院の新設も対策の一つだと提案し、「平時には感染症の研修センターとして活用すれば、人材も育成できる」と述べた。
また「県医師会の業務はなじみが薄く、誤解されることが多い。今後は県民へ向け積極的に情報発信していきたい」と述べた。安東会長就任後、8月から月1回、医師会の取り組みを伝える定例記者会見を開いている。
現在は新型コロナ対策が最重要課題だが、長期的には「高齢化時代の中で、地域医療は大きなテーマだ」と指摘。「行政が進めるまちづくりにどう医療が協力できるのか。コロナ収束後は連携して考えていきたい」と語った。