奈良で未来の人材育成を 大和ハウスが研修施設
2021年09月29日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
大和ハウス工業が奈良市西九条町で建設していた研修施設「コトクリエ」が完成し、報道陣に公開された。同社や関係会社の社員研修だけでなく、地域の子供の勉強会や異業種の企業などにも開放し、共同で未来の人材を育成する拠点にしたいという。
同施設では、中高生や大学生を対象にした「理想の家づくり」「未来社会」といったテーマのワークショップを計画。また、小学生などに向けたイベントを月2回程度開催する。担当者は「奈良の鹿をテーマに生物多様性を学ぶ研究会を開きたい」とも。このほか、異業種の企業や研究機関と共同で社会課題の解決に取り組む場としても活用する。
施設は4階建て延べ床面積約1万7000平方㍍。自然エネルギーを大幅に導入したほか、外気や外光を効率的に取り入れられる構造にした。一般的な同規模の建物と比べてエネルギー消費を63%削減できるとしている。
気持ちを落ち着けて考えるためのスペースを随所に設けるなど工夫を凝らしたといい、同社では「社員が集まってコンセプトを固めていった過程を紹介するだけでも人材育成のヒントになるのでは」としている。
施設は、県出身で同社の創業者、石橋信夫氏の生誕百年を記念し約120億円を投じて建設した。日本で初めて環境や健康、景観に関する国際認証3種類を同時に取得する見通しという。