生活保護不正を抑止へ 県が弁護士、警察と連携
2021年10月1日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
生活保護の不正受給を防ぐため、県は担当職員が専門知識を持つ弁護士に相談できる体制を整備する。刑事告訴などの手続きを迅速に行うことで「不正受給をなくし、本当に支援が必要な方に支援を届けていきたい」としている。
県によると、令和元年度に県内で判明した不正受給は前年度比べ77件減の471件だったが、不正受給額は2億4569万円と過去5年で最多となった。1件あたりの額が多くなっている。態様で最も多いのが仕事で得た収入の無申告や過少申告で、年金や任意保険の保険金収入を申告しないケースもあった。
生活保護の窓口は、県内の15福祉事務所(県設置の2カ所、各市設置の12カ所、十津川村設置の1カ所)が担当。不正受給を防ぐには、よりきめ細かく迅速に対応する必要に迫られていた。
こうしたことから、各福祉事務所が詐欺容疑の刑事告訴に関する事前準備や書類作成の方法を弁護士に相談できる体制を整える。また「ケースワーカーが制度を熟知し、生活保護の受給者にしっかり説明することも重要」だとして、弁護士や警察官によるケースワーカー向けの研修会も実施する。