土木遺産に生駒ケーブルなど認定
2021年10月11日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
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未成線)公益社団法人土木学会が歴史的土木建造物を顕彰する令和3年度の「選奨土木遺産」に、近畿日本鉄道が生駒市で運行する「生駒ケーブル」と、同社が運営する生駒山上遊園地の大型遊具「飛行塔」、「谷瀬の吊り橋」(十津川村)が認定された。
生駒ケーブル(生駒鋼索線)は、国内初のケーブルカーとして大正7(1918)年に宝山寺へのアクセスをよくするために開業。昭和4(1929)年の生駒山上遊園地の開業に合わせ、宝山寺|生駒山上間の山上線(約1・1㌔)が開業した。
同遊園地の飛行塔は開園当時から稼働。現存する国内最古の大型遊具とされ、私鉄の観光施策を伝える遺産としても貴重という。先の大戦では、物資不足で日本中の金属が回収されたが、飛行塔は軍の防空監視所となり存続した。
一方、谷瀬の吊り橋は昭和年に建設され、現在は十津川村を代表する観光資源となっている。
推奨土木遺産の認定制度は平成12年に設立。年間20件程度が選出され、県単独ではこれまでに、JR奈良駅旧駅舎(奈良市)▽薬水拱橋(大淀町)▽百寿橋(大和郡山市)▽旧国鉄五新線鉄道構造物群(五條市)が認定されている。