木簡に「科学」の光 地下の正倉院展
2021年10月13日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
平城宮・京跡(奈良市)から出土した木簡を公開する「地下の正倉院展|木簡を科学するⅡ」が、奈良文化財研究所・平城宮跡資料館(同市)で開かれている。計約50点を展示し、年輪年代測定など木簡の木製品としての性質に着目した研究の成果などを紹介。1期は24日まで、2期は26日~11月7日で、展示品を入れ替える。
さまざまな情報が記された木簡は文字資料としての側面に注目が集まりがちだが、今回は年輪から木材の年代を特定する年輪年代学や三次元計測の試み、レプリカの作製など、異なる切り口で焦点をあて、展示している。
年輪年代学関連では、文字面に多くの年輪が刻まれる柾目材とそうでない板目材の木簡を展示。柾目材では漢詩を記した木簡や、越前国からの大豆の荷札などが並んでいる。
また、木簡と動物考古学の成果として、西大寺(奈良市)の食堂院井戸跡から見つかったウリの漬物の付け札などとともに、同じ井戸から確認された魚の骨なども展示している。
午前9時~午後4時半で、月曜は休館。無料。